完全なる夏vol.5

CASIO EX-ZR3000

最終日の夜はここ松本市と決めておりました。大好きなのです、ここが。夏休みなのにそれほど人混みもなく街並みは綺麗、例えるならば「ガサツな名古屋の繁華街をずいぶんと清々しくした感じ」とでも言うのでしょうか。官庁街に隔離されたコンクリート製の名古屋城と違い、国宝松本城は見事なほど街並みに溶け込んでいます。とにかく信州のこの街にいて、ブラブラ散歩したり飲んだりするのが大好きなのです。

風雲たけし城ではありません。夜の姿もまた一段と美しいですね。「春はあけぼの、夏は夜」です。さて、ほろ酔い気分で最後の夜。ついに一度も雨に降られることなく、夕立も雷もなく、あれ?さっきまで降ってたのかな?というシーンもなければ、写真撮る気満々な肝心な場所に限って霧や曇り空…なんてこともなく、ただひたすら真夏のジリジリとした暑さだけが連日印象的な千キロの旅でした。無事、私の真夏の妄想はことごとく叶えることができました。唯一の心残りといえば、大好きな秋山郷のルートを外してしまったことくらいでしょうか。

と、言うわけで。最終日は国道158号から奈川に抜けて藪原で国道19号というルートです。昼メシはいつものこの蕎麦屋さん。もちろん、ジャズも作務衣も能書きもありません。そろそろこの奈川や乗鞍高原エリアの蕎麦にもう一度チャレンジするべきかも…と思っています。

疲れて帰るときの真夏の単調な国道19号って、ホント拷問ですよね。休憩ばかりしてても帰れないし、かといって休憩しないと事故りそうだし…で、我慢の走りを強いられます。たまらず中津川からは中央道。無事、愛知県入りしました。日帰りでもなかなかこうはいかないでしょってくらい、雨に打たれることなく走り切った愛車も出発時の綺麗な姿を保ったまま、お疲れさまとなりました。

おかげさまで10年ぶりでしょうか、こうして『完全なる夏』を旅することができたのは。重い足を引きずるようにして出勤しておりますが、あまりにもパーフェクトな5日間の反動で、身体と脳が現実に戻ることをたいそう嫌がっている今日この頃です。