完全なる夏vol.1

CASIO EX-ZR3000

朝5時。雲ひとつない快晴と綺麗に磨いたW800の組み合わせで今年の夏休みを始めます。ここ数年、夏らしい夏の中を旅することができていない悶々感を妄想で慰めていたのですが、今夏こそは、その妄想の全てを一気に実現してしまおうという意気込みなのです。信州の青い空、入道雲、蝉時雨、玉蜀黍、花火、蕎麦、温泉、そして真夏のビーナスライン…。もう我慢できません。夏休みを取得する時期も、今年は変にひねらず王道を行く(?)『梅雨明け十日』狙い。走るルートも個人的定番お気に入りをとことん網羅する形で決めました。気合いが入りすぎて空回りしてしまう残念な結末が待っているのか…。天空の雨雲さまは私を捕捉するのか…。

国道19号で塩尻まで。ここから麻績インターまで高速道路を使い、県道12号で聖高原の西方を北上します。結界で守られているために台風も避けると噂されることもある信州。道祖神にこんな飾りつけをするお祭りもあるようです。昔、マコちゃんと立ち寄った場所です。

初日の主役はなんと言っても、ここ県道86号線です。県道12号からいったん国道19号に合流し、2016年版の『ツーリングマップル関東甲信越』を頼りに、目標となるはずの笹平という土地から初めて走ってみることにしました。長野市内の暑さには閉口した記憶があったので、それを迂回するために目的地である戸隠神社までのルートとしての選択です。んがっ!!なんスか、この県道86号ってヤツはっ!!!まず、ツーリングマップルを見ても入り口に到達できません(どなたかぜひ試してみてください)。通常ならあるはずの『86』の標識が分岐に設置されていません。彷徨い続けてやっと見つけても途中の分岐でまた散々迷った挙句にいつの間にかルートを見失ってしまいます。まるで余所者を戸隠神社には近づけたくないという村人の強い意思を感じるような意図的な不親切さ。こんな県道は初めてです。結局、二時間近くもロスしながら、最後はグーグルマップに誘導してもらいつつ頂上の地蔵峠へ。苦労した分、さぞかしここで絶景でも拝めるのかと思いきや…。興味のある方は是非(^^)

旅人に恐ろしい県道86号のおかげで、戸隠神社にやっとの思いで到着したのは午後1時過ぎ。開店早々ではないので、かえって目指す蕎麦屋の混雑も解消されているのではという淡い期待を打ち砕く、いつもどおりの光景がそこにありました。順番待ちの人の列が店の前や道路を挟んだ反対側にも溢れています。しかし今回の旅で悶々感を残すわけにはいきません。名前を書いて素直に順番を待ちます。真夏にしか食べたことのないここの蕎麦をいつか新蕎麦の季節に…と思いつつ、久しぶりに食べる夏の蕎麦もやはりかわらず美味なのでした。

おいしい地酒を教えてくれた神社近くの酒屋さんや、ノンアルコールビールとおいしいきゅうりで歓迎してくれた戸隠イースタンキャンプ場の管理棟の前を懐かしい思いで通過し、青い空と白い入道雲を眺めながら本日の宿へ。どうしてももう一度、あの桃山風呂に浸かりたかったのです。満腹満足の夕食後、腹ごなしを兼ねてお宿の下駄を借り、仲居さんから教わった温泉街の夏祭りを見物してきましたが、大勢の外国人観光客が楽しそうにしていたのが印象的でした。風が涼しい夜です。

さて、カランコロンと下駄を鳴らしつつ散歩から戻ったら、いよいよお楽しみの温泉です。いやぁ〜、やっぱりここはすばらしい!浸かってよし眺めてよし。感動がまざまざと蘇ってきましたよ。

朝食もたいへん美味でした。本日も朝から快晴です。そして、志賀草津道路が目の前で私を待っています。アップポジションに振ったハリケーンのハンドルのおかげで、W650で旅しまくった当時のあの気分を追体験できているような気がします(^^)